暗号通貨と税金

暗号通貨と税金について

暗号通貨取引で利益を出した場合は「総合課税の雑所得」として所得税の課税対象となります。

その課税の仕組みについて以下にご説明します。

株やFX、先物の税金と大きく異なる点

暗号通貨と、株・FX・先物。「投資対象」という点では同じでも、得た利益にかかる税金に関しては大きな違いがあります。

株やFX(国内FX業者の場合)、および先物の取引で得た利益にかかる所得税の税率は、一律「20.315%」となっています。

内訳は、所得税が15%、住民税が5%、復興特別所得税(平成49年まで適用)が0.315%です。

なお、金融商品の種類によっては、たとえばFXで利益を出しても先物取引で損失を出した場合は、その損益を合算して税金の計算をすることができます。

この合算を「損益通算」と言います。

また、損失に関しては最大3年間繰り越しができます。たとえば1年目に100万円の損失、2年目に30万円の利益、3年目に40万円の利益だとすると、2年目、3年目の利益には税金がかかりません。

※ただし、損失を出した年も確定申告を行なって損失を申告しておく必要があります

これに対して、暗号通貨の場合は、現状では残念ながら上記すべての優遇が受けられません。

所得税の税率が一律ではない

暗号通貨取引で得た利益は「総合課税の雑所得」として、給与所得などの他の所得と合算され、累進課税により5%~45%の所得税がかかります。

そして、これに住民税が前年の総所得金額に対して一律10%かかります。つまり、最大で実に45%+10%=55%もの税金がかかってしまうわけです。

単純計算になりますが、たとえば暗号通貨で1億円の利益が出て「億り人」となったとしても、そのうちの55%=5500万円が税金で持って行かれるので、手元に残るのは4500万円となってしまいます。なので、実質的に「億り人」となるには、暗号通貨での利益は約2億3000万円なければなりません。

なお、給与所得以外の収入がないサラリーマンは、暗号通貨での利益が20万円以下であれば確定申告不要、という制度もあります。

※これは適用条件が複雑なので、ご自身の条件をしっかりご確認ください

他の金融商品との損益通算ができない

たとえば「FXと先物取引」のように、異なる金融商品で損益通算できる場合があるのですが、暗号通貨取引は他の金融商品との損益通算ができません。

ただし、同じ所得の種類である「総合課税の雑所得」どうしであれば、損益の合算は可能です。
もちろん異なる暗号通貨の損益も合算できます。

たとえばBitcoinで10万円の利益を出し、Ethereumで30万円の損失を出したとしたら、合算で「-20万円」とすることができます。

損失の繰り越しができない

たとえば1年目に100万円の損失、2年目に50万円の利益だとすると、2年目の確定申告が無税にはできないということです。そのため、2年目は50万円の利益に対する税金がかかります。

利益を確定させていないうちは課税対象にならない

これはどういうことかと言いますと、たとえば日本円で10万円分のBitcoinを購入し、それが現時点で30万円分に値上がりしていたとしても、

  1. そのBitcoinを売却して30万円を手にする
  2. そのBitcoinを商品の決済に使用する
  3. そのBitcoinで別の暗号通貨を買う

といったことをしていない限りは課税対象にならないということです。

なお、上記を行なった場合は、購入時の取得価格と売買等で獲得した価額との差額が所得金額となり、税金計算されます。

ハードフォークで暗号通貨を得た場合の税金について

「ハードフォーク」とは、ある暗号通貨が分岐し、新たなルールに則った暗号通貨が誕生することを言います。

たとえば、Bitcoinは2017年8月にハードフォークが行なわれ、「Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ)」という暗号通貨が誕生しました。

ハードフォークが行なわれる背景には、通貨の取引量が増えると取引の遅延や手数料の高騰が起こるために、その改善を目指して新たなルールに則った暗号通貨を誕生させる必要があることなどが挙げられます。

さて、ハードフォークが行なわれる際には、その行なわれる時点で分岐前の暗号通貨を保有している人に、自動的に分岐後の新たな暗号通貨が無償で付与されるケースが多くあります。

Bitcoinのハードフォークによって Bitcoin Cashが誕生した際も、分岐時点で保有していたBitcoinと同量のBitcoin Cashが自動付与されました。

※ただし、保有している取引所の方針によります。したがって、自動付与してもらいたい場合は取引所の方針をあらかじめ確認しておく必要があります

となれば、自動付与された暗号通貨にかかる税金が気になるところですが、受け取った直後のタイミングでは新たな暗号通貨の取得価額は0円とみなされ、課税対象とはなりません。

もちろん、その後価値が付いて「売却」「その暗号通貨で買い物」「別の暗号通貨を買う」ということを行なった場合は、その額と同じ金額が所得金額となります。(取得価額が0円のため)

経費は計上できる

暗号通貨取引においても、利益を得るために使った経費は計上することができます。

たとえば暗号通貨取引のために購入したパソコンやインターネットの通信費、学習や研究のための書籍購入費やセミナー参加費・旅費交通費などがこれにあたります。

当クラブ「暗号通貨Club」有料版の月額会費ももちろん経費計上できます。

※ただし期間按分、数量按分などが必要になる場合がありますので、ご注意ください

税金の申告方法

暗号通貨取引で利益が出た場合、所得税はその年の1月~12月の1年間の所得を翌年の2月16日~3月15日までの間に「確定申告」することになっています。

そのため、「売却」「その暗号通貨で買い物」「別の暗号通貨を買う」といった行為を行なって利益または損失を確定させた場合は、その内訳を表計算ソフトにまとめておくと、申告書の作成時に苦労しなくて済みます。

その上で、暗号通貨の税金計算を楽にしてくれるアプリがありますので、これを活用することで税金計算の省力化につながります。そのアプリの代表格は、国内や海外の主要取引所の取引記録に対応している「Cryptact(クリプタクト)」と呼ばれるアプリです。

確定申告書は税務署にあるほか、税務署のホームページには確定申告書作成ソフトがあり、そのソフトで申告書を作成することができます。

それでは、これで「暗号通貨と税金」の説明を終わります。

ありがとうございました。